新・司法試験基本書まとめwiki―民法(総則)

民法(総則)
このページで紹介される基本書の多くは、民法全範囲をカバーすることが予定されているものの、未だ他の分野は執筆段階にとどまるものである。
※備考:平成18年法人部分の改正(平成20年12月1日施行。【法】)

【基本書】
〔メジャー〕
【法】佐久間毅『民法の基礎1 総則』有斐閣(2008年3月・第3版)……著者は京都大学教授であるが、東大の指定教科書にもなった総則の決定本。基礎という名の通り、判例の立場を中心にわかりやすい説明。その一方、補論では緻密な論理展開で、かなり高度な議論が展開される。

【法】山本敬三『民法講義I 総則』有斐閣(2011年6月・第3版)……京大教授。684ページと、総則分野の本ではかなりのボリューム。といっても、図を多用しているため、本文の量は他の本よりやや多い程度。特に錯誤論の整理に関して、非常に評価が高い。好評の要件事実表をさらに進化させた規範構造表を新設。

【法】四宮和夫・能見善久『民法総則(法律学講座双書)』弘文堂(2010年5月・第8版)……能見による改訂は賛否両論。分かりやすくなったとも,格調が下がったとも。オーソドックスな作りの基本書であり、今なお無難な選択肢ではある。かなり詳細な議論にわたる個所もあり、横書き430頁と最近の体系書の中では厚い方であるといえる。

〔その他〕
【法】河上正二『民法総則講義』日本評論社(2007年11月)……東北大教授をへて東大教授。法セミ連載を単行本化。ローマ法の歴史を踏まえて民法総則を解説する。判例よりも性質論に厚く、示唆に富む。専門分野である消費者契約、約款論の記述に特徴がある。634ページという山本に次ぐ厚さだがヤマケイがレジュメ調に整理しているのに対してこちらは比較法的な法制史、立法段階での見解など歴史的な学説展開を重視し説明が重厚。入門本として『民法学入門―民法総則講義・序論』日本評論社(2009年4月・第2版)。

【法】中舎寛樹『民法総則』日本評論社(2010年9月)……条文からスタート。丁寧な解釈。

潮見佳男『民法総則講義』有斐閣(2005年4月)……講義レジュメが元。B5サイズだが500頁超で内容・量ともに重厚。ケースメソッド。初学者向けとされているが内容は高度。要件事実への配慮もなされている。

【法】野村豊弘『民法I 序論・民法総則』有斐閣(2013年3月・第3版)……東大系。シンプル。物足りない感はあるかも。キーワードのまとめがあり,確認に便利。

【法】平野裕之『民法総則(民法講義シリーズ1)』日本評論社(2011年12月・第3版)……詳細。民法総合シリーズへ統合されないまま改訂された。

辻正美『民法総則』成文堂(1999年4月)……遺作。京大学派が補訂。本質論重視,判例や既存の学説を踏まえつつも鋭い問題指摘。

四宮和夫『民法総則(法律学講座双書)』弘文堂(1986年・第4版)……通称四宮旧版。能見が改訂する直近の版。「四宮」として基本書で引用される方。(現行の方は「四宮・能見」)。債権法で平井が我妻説にアンチテーゼを提起したのに対し、四宮はこの本で我妻説を批判し有力説を築いた。薄いが内容は圧倒的な濃さ。なお、能見教授が法人法の改正について補訂した第4版補正版については弘文堂でOD版として現在も入手可能。

【法】石田穣『民法総則(民法大系(1))』信山社(2014年11月)……

【法】藤岡康宏『民法講義I 民法総論』信山社(2015年1月)……

☆【法】新井誠・岸本雄次郎『民法総則』日本評論社(2015年3月予定)……


【入門書】
【法】池田真朗『スタートライン民法総論』日本評論社(2011年12月・第2版)……基本的には総則の入門書だが、最初に物権や債権等の概観を記述にいれてるため、読みやすい。

  • 最終更新:2015-09-29 00:29:17

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