新・司法試験基本書まとめwiki―民事執行法・民事保全法

民事執行法・民事保全法
【基本書・入門書】
和田吉弘『基礎からわかる民事執行法・民事保全法』弘文堂(2010年4月・第2版)……図表を駆使し、簡潔明瞭な文章で徹底的に分かりやすさを追求した学生向け入門書の決定版。学習のはじめに間違いのない一冊である。その分中身は薄いが、学部やロースクールの定期試験なら本書を数回通読するだけでも乗り切れるだろう。

平野哲郎『実践民事執行法民事保全法』日本評論社(2013年9月・第2版)……著者は元裁判官の研究者。判例・通説の解説はもちろん、東京地裁や大阪地裁での実務レベルの処理についても学習に必要な程度で触れている。レベルはやや高く、理解するには民法・民事訴訟法の基本的な理解が必須。しかし、これらの関連法とのクロスリファレンスは徹底している。

中野貞一郎『民事執行・保全入門』有斐閣(2013年4月・補訂版)……民事手続法の第一人者による入門書。好著『民事裁判入門』の姉妹版であり、同様のコンセプトに立つ。適度にくだけた文章により分かりやすく解説する。和田・基礎よりも内容は充実しているが、標準的な概説書と比べるとやはり多少の物足りなさもある。

中西正・中島弘雅・八田卓也『民事執行法・民事保全法(LEGAL QUEST)』有斐閣(2010年3月)……スタンダードな民事執行法・民事保全法のテキスト。記述に安定感はあるが、リーガルクエストシリーズらしく発展的な知識も随所にちりばめられている。民法・民事訴訟法の知識があるのは当然の前提としているため初学者には向かない。和田・基礎や中野・入門などを経てから取り組むべき本である。

生熊長幸『わかりやすい民事執行法・民事保全法』成文堂(2012年5月・第2版)……本文そのものは条文の引き写しに終始したいささか無味乾燥なものとなっているが、理解を助ける図表や実際の書面のサンプル、読者の興味を惹くコラムなどが随所に散りばめられており、学生向けの教科書を強く意識した作りとなっている。レジュメ調の構成はやや好みが分かれるところであろう。著者が専門とする担保物権とのつながりも強く意識されている。

上原敏夫・長谷部由起子・山本和彦『民事執行・保全法(有斐閣アルマ)』有斐閣(2014年3月・第4版)……入門書と概説書を兼ねたスタンダードテキスト。コンパクトなれども事項索引・判例索引・条文索引が付されている。コラムも面白い。判例は最決H25.1.17判時2176.29まで収録。

福永有利『民事執行法・民事保全法』有斐閣(2011年3月・第2版)……名著である山木戸克己『民事執行・保全法』(1999年5月)の叙述を利用しつつ(はしがきで明記されている)、現行法に即して書き下ろされた、民事執行法の大家の手による教科書。自説は抑え気味。文章は平明で、注も少なく読みやすい。発展的な内容はコラムに回されている。2版の改訂箇所は判例の追加、ゴシック体への変更などごくわずか。

中野貞一郎編『民事執行・保全法概説』(有斐閣双書)有斐閣(2006年6月・第3版)……おそろしく豪華な執筆陣による概説書。平均年齢の高さもあってか文章は硬くて平板。図表の類も少なく、意外とボリュームもあるため、初学者が手を出すと失敗するタイプの本。

藤田広美『民事執行・保全』羽鳥書店(2010年4月)……評価待ち。

斎藤和夫『民事保全法 民事紛争最前線』慶應義塾大学出版会(2014年12月)……学者本だが、学生のみならず実務家も対象とされており実務運用についても詳しい。設例・図解を多用しておりわかりやすい(くどく感じるかも)が、レジュメ調の文体は好みがわかれるかも。

☆戸根住夫『民事保全法要論』法律文化社(2015年3月)……元裁判官。ドイツ法に依拠し実務慣行を批判する、いわゆる体系書。初学者には向かない。

【体系書・実務書】
中野貞一郎『民事執行法』青林書院(2010年10月・増補新訂6版)……民事手続法の第一人者による決定版。まさに孤高の体系書。

瀬木比呂志『民事保全法』日本評論社(2014年7月・新訂版)……民事保全の第一人者である元裁判官による体系書。実務家必携。判例タイムズ社から出版されていた同名著書の改訂版。

須藤典明・深見敏正・金子直史『リーガル・プログレッシブ・シリーズ1 民事保全』青林書院(2013年4月・三訂版)……東京地裁保全部経験裁判官が同部の運用を解説した著書。三訂版は国際裁判管轄に対応。

齊藤隆・飯塚宏編著『リーガル・プログレッシブ・シリーズ4 民事執行』青林書院(2014年2月・補訂版)……東京地裁民事第21部(執行部)経験裁判官による民事執行の概説書。


【コンメンタール】
山本和彦・小林昭彦・浜秀樹・白石哲編『新基本法コンメンタール 民事執行法』日本評論社(2014年4月)……研究者・裁判官・弁護士の共同による新しい注釈書。東京地裁民事執行センターが全面協力している。平成23年改正まで対応。判例索引等がないのが残念。図書館での参照用。

山本和彦・小林昭彦・大門匡・福島政幸編『新基本法コンメンタール 民事保全法』日本評論社(2014年4月)……研究者及び裁判官による注釈書。東京地裁保全部が全面協力している。平成23年改正まで対応。判例索引等はない。学生は図書館で参照すれば十分である。

  • 最終更新:2015-09-29 20:27:20

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