新・司法試験基本書まとめwiki―御用学者・川出敏裕の判例講座・刑事訴訟法〔捜査・証拠篇〕・立花書房

本まとめwikiに対して、川出と名乗る大学付与メールアドレスで、「御用学者」とはいかなる意味なのかという抗議文を頂きましたが、執筆者は好意的な意味で捉えている次第です。調査官の如く、判例分析に長けているという意味であり、またそれを超えて合理的に判例を理由付けしているという意味であります。

■書評・評判・評価
・警察学論集ってーのは元々は警察庁のエース級、即ちキャリア組が読む月刊誌。俺の親戚のおじさんもこれは必読って言ってけど、実際は検察の大多数も購読してる。この本はある意味では期待はずれだけどある意味では期待通りというか、第一に川出(かわいで)先生独自の素晴らしい学説・理論は出てこない。別件逮捕における本件基準説からの実体喪失説とか、違法収集証拠排除法則や毒樹の果実論における一元説とかは全く記載されてない。その点で期待はずれ。とはいえ、それはそうとして、なんでそうなってるかというと、やはり上記の通り、対象者が警察幹部と検察官だから。自説強調しても実務は意味が無い。憲法学者が何言ったって現実から大きくそれた机上の空論言っても意味ないのと同じ。川出(かわいで)先生はあくまでもその対象を警察幹部や検事に絞って、現状を追認しつつ、その追認された範囲で適正手続を守ろうとする現実路線。そしてこれこそ真の学者だと思う。自説をただひたすら書き綴るようなことは誰にだってできる。期待できる箇所っていうのはこの点。つまり、本当にひたすら判例分析をしてて、この解析結果について具体的事情をあてはめたり、検討対象にしたりしてる。今までリークエとか、そして近時は酒巻とかって言われてるけど、本書は実務や判例を丁寧に説明してて非常に良い。先生が独自説を出すべきところが出てないのが残念だが、基本的に現状に的をしぼってたんたんと学べる。明快な説明もあり、刑訴と言ったら本書ってなりそう。警察学論集の時代から書評・評判・評価はとても良かったようだし、書籍化によってスタンダードになると思う。

■判例講座 刑事訴訟法〔捜査・証拠篇〕 3月中旬発売予定

■本書のポイント
・捜査から証拠までの刑事手続の重要判例を理解するのに最適の書
・気鋭の法学者が研究・分析し,詳細に解説
・警察学論集に好評連載された「判例講座 刑事訴訟法」を追加・修正して単行本化
・警察官,法科大学院生,法学部生等の刑事訴訟法を学ぶ方々にとって必読の一冊

■情報
・東京大学大学院法学政治学研究科教授:川出(かわいで)敏裕
・定価:¥3,672(本体 :¥3,400)
・ポイント:34P
・発売日:2016年03月
・判型:A5
・ページ数:512

■川出(かわいで)敏裕
・川出(かわいで) 敏裕(かわいで としひろ、1967年 - )は日本の法学者である。東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門は刑事訴訟法、刑事政策。
・学説:川出(かわいで)は、別件逮捕の問題につき、逮捕・勾留による身柄拘束の趣旨から問題を捉え直して、従来から対立する本件基準説・別件基準説とは異なる視点から学説を展開している。まず、逮捕・勾留による身柄拘束は、被疑者の逃亡・罪証隠滅を防止しつつ、その理由となった被疑事実について捜査を遂げるための期間を捜査機関に与える趣旨のものと捉える。よって、逮捕・勾留の理由となった被疑事実(「別件」)について、起訴するか否か等の判断が可能な程度に捜査を遂げたならば、それ以降の身柄拘束は理由のない人権・自由の制約であって、違法になるとする。つまり、軽微な『別件』で逮捕・勾留し、それによる身柄拘束期間中に、専らより重大な「本件」についての捜査(取調べ)を行った結果、別件の処理が遅延するなどし、身柄拘束が長期化したような場合には、当初から『別件』について捜査していたならば起訴・不起訴・釈放の判断が可能となったであろう時点より後の身柄拘束が違法になる、とするのである。本件基準説が有していた、別件についての身柄拘束要件があるにもかかわらず逮捕・勾留が違法となる論理的理由が明らかではないとの弱点を克服している点で注目される。
・略歴:岐阜県岐阜市出身。業績としては別件逮捕・勾留に関する研究が知られる。2005年から東京大学大学院法学政治学研究科教授。
・学歴:1985年岐阜県立岐阜高等学校卒業、1988年司法試験第二次試験合格(上位合格)、1989年東京大学法学部卒業(ほぼ首席)
・職歴:1989年東京大学法学部助手、1992年東京大学大学院法学政治学研究科助教授、2005年東京大学大学院法学政治学研究科教授
・著書:
『別件逮捕・勾留の研究』(東京大学出版会、1998年)
『わかりやすい犯罪被害者保護制度』(有斐閣、2001年)(共著)
『刑事政策』(成文堂,2012年)(共著)
『ケースブック刑事訴訟法(第4版)』(有斐閣、2013年)(共著)
『少年法』(有斐閣、2015年)

■「警察学論集 判例講座 刑事訴訟法」の目次
判例講座 刑事訴訟法 第1回 捜査に関する法的規律の基本的枠組み/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第2回 職務質問・所持品検査/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第3回 被疑者の取調べ/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第4回 逮捕・勾留(1)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第5回 逮捕・勾留(2)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第6回 逮捕・勾留(3)─別件逮捕・勾留/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第7回 令状による捜索・差押え(1)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第8回 令状による捜索差押え(2)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第9回 令状によらない捜索・差押え
判例講座 刑事訴訟法 第10回 体液の採取/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第11回 秘密録音・おとり捜査/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第12回 接見交通(1)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第13回 接見交通(2)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第14回 起訴後の捜査、捜査に対する不服申立て/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第15回 同種前科・類似事実による立証/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第16回 科学的証拠/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第17回 自白の証拠能力(1)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第18回 自白の証拠能力(2)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第19回 補強法則/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第20回 伝聞証拠の意義/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第21回 伝聞例外(1)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第22回 伝聞例外(2)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第23回 伝聞例外(3)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第24回 違法収集証拠(1)/川出(かわいで)敏裕
判例講座 刑事訴訟法 第25回・完 違法収集証拠(2)/川出(かわいで)敏裕

■書評・評判・評価
・本書の出版元である立花書房は近時司法試験業界に本気で攻めようと思っている。もちろんその姿勢は歓迎すべきものであって大変喜ばしい。これまで司法試験教材は極めて左翼チックなものが多かったからである。学者の実体は、井上教授が指摘するように、単なる妄想集団ないしカルト集団である。もちろん、この言い方はやや言い過ぎなところもあって、川出(かわいで)先生や酒巻先生のように、現状をいかに説明するか、法というツールで正当性を与えるべきか、それを考えている学者は多々いる。

■書評・評判・評価
・立花書房が工藤北斗先生や井藤公量先生に本書を贈呈したようだ。即座に工藤先生及び井藤公量先生は書評を書いて本書の宣伝をした。ここで思うことは、工藤先生はきちんと読み込んだ上で―それがたとえ上っ面であったとしても―、適切な書籍分析を行っている。それに対して、井藤公量は何らも読まずにただ宣伝の手伝いをしただけである。本書は、私が読んだところ、及び工藤北斗先生の分析では、別件逮捕や違法収集証拠という川出(かわいで)先生の得意分野についてほとんどきさいされていない。記載されていないというか、川出(かわいで)先生の独自説はほとんど紹介されておらず、一般的な判例分析に終始してる(もちろん、この判例分析は非常に素晴らしい。)それにもかかわらず、井藤公量先生は、これらの点の解説が素晴らしいと述べているのである。井藤公量は一般的な川出(かわいで)先生の特徴についてよくご存知のため、本書にもそれらが書かれているだろうと勘違い・誤信し、そのままそれらの点を強く押して紹介したのである。そもそも井藤公量先生のTwitterは常に知識薄弱なつぶやきばかりで何ら役に立たない。工藤北斗先生と格の違いを感じざるを得ない。なお、本書を立花書房から贈与されたのは、他にもいる。有名どころの予備校講師には送付されている模様。ソースは当該予備校講師。

■書評・評判・評価
・川出(かわいで)先生お願いします!!!警察學論集終わったら、教科書書いてください!

■書評・評判・評価
・大学の図書館で川出(かわいで)の警察学論集見てみた。これ最強すぎる。リークエとか上口終わったな。これが基本書化されたら、酒巻も過去の遺物になるんじゃね?

■書評・評判・評価
・東大ロー生にとっては川出(かわいで)レジュメがあるし、別にいまさら出版されても必要はない。川出(かわいで)レジュメもってれば別に買わなくて良いし。

■書評・評判・評価
・酒巻の基本書と2大巨塔になりそうだね。

■書評・評判・評価
・伝聞・非伝聞の区別が分かりやすかった。上位ローではPDFで出まわってるらしいが羨ましい限り。ちょっと高すぎやしないかとも思うけども、まぁ仕方ない。法律関係書は皆出版社がぼったくりだし、電子データが出まわるのもしかたがないだろう。古江・酒巻死亡って感じwww

■川出 敏裕(かわいで・としひろ)教授のプロファイル

・画像
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・略歴
1989年 東京大学法学部卒業
1989年 東京大学法学部助手
1992年 東京大学大学院法学政治学研究科助教授
2005年 東京大学大学院法学政治学研究科教授

  • 最終更新:2017-01-24 21:13:51

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